初めて見た5段重のおせち料理。甘いおかずは今でも忘れません。

小学校卒業の年に、はじめてお重に入ったおせちを食べました。

35歳の会社員です。
おせちといえば、思い出すのが小学校卒業の年に、はじめてお重に入ったおせちを食べたのが一番印象に残る思い出です。お正月のお年玉をもらい更には食卓に上る料理の数々。でもおせちは包まれたままに食卓の上で鎮座しており、その高さに何が入っているのかすごく楽しみでした。早く食卓に座りたい気持ちと、お年玉だけでもうれしい上においしい香りが食卓に立ち上るので我慢をするのが大変。

 

当時は父の実家である田舎で迎えるお正月には必ず新年明けての神棚への挨拶と、仏壇でお経をあげてからようやく食事となるため、その間は匂いがほぼ拷問に近く早く料理を食べたい一心でした。

 

家族全員で座敷に座り、今は無き祖父がそれなりの挨拶をして、無病息災で事故には合わない様に今年も気を引き締めて楽しく来年の正月を迎えるぞと鬼も笑うような挨拶を例年のごとく行い、いよいよおせちオープン。

 

5段もあるおせちは初めてでした。それまでは母親と祖母が作ってくれていた田舎おせちでしたが、食べやすい様に小皿に取り分けられていて、雑煮と一緒に食べるともうお腹は一杯。でもその年は父の取引先がどうしてもと営業に来たから買ってみたとその時初めて、おせちは買えるんだと覚えたのです。

 

6人家族で子供は私と弟でしたが、その開封一番人気を博したのはもちろんエビ。
しかしエビは大きな伊勢海老なので独り占めは不可。頭も食べれると思い中を見ると空っぽで代わりにチーズがコロコロと入っていました。でも初めて見る5段のおせちは子供ながらに必ず一品は味わいたいという欲望も与えてくれました。
時は正にバブル時代の真っただ中で、アワビあり、アワビ煮あり伊勢海老、車エビありとあの頃と同じおせちを大人になった今見る事は無くなりました。
人気のやつ選んでおいたと父も話していましたが一番下のお重にはなんとフカヒレ煮が3枚その姿を現して喜ぶ大人たちを前に、私と弟は普段祖父が酒のつまみにしていたエイヒレと同じものだと思い、それがブヨブヨしていたので一口食べていらないとかなり勿体ない事をしました。それよりもローストビーフや、茶巾絞りの栗とお肉と甘いおかずに、おいしいと夢中になって食べていた思い出があります。

 

今では仕事の関係で元旦でも職場や現場に出ている為、正月らしい正月ではなくなりましたがそんな疲れて帰る正月に嬉しいのは、母や祖母手作りのおせちが体に沁みます。豪華なおせちも今となっては良い思い出ですが、家族手作りの黒豆やだし巻きといった、甘いおかずは、今でも私と弟にとって安心できる変わらない味として我が家に続く味となっています。