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優しいお正月おせちと言えば、昔ながらのおいしいお煮しめ

現在35歳の主婦、外国暮らしでおせち料理を懐かしく思いつつも、滅多に日本でお正月を過ごすことができません。それでも幼い頃を思い出し、乏しい日本食材に現地食材を組み合わせては、何とか「おせちもどき」のようなお正月の食卓を整えています。

 

そもそも私にとってのお正月のおせち料理は、家庭料理というカテゴリーに入るものでした。社会人になって家を出て大都市にうつり、たまたま年末にデパートの地下お惣菜売り場で「今年のおせちはこんなものを用意いたします」と、展示されていたおせち料理の見本サンプルを目にした時の衝撃は忘れられません。

 

人気の高いものが順に並べられていたのですが、どれをとっても海鮮の幸やお肉などの華々しいメニューがこれでもかと詰まっており、「…どうやって食べるのだろう?」と、むしろ私は途方に暮れてしまった感がありました。

 

そんな私が帰り道に思い返したのは、学生時代までほぼ毎年のお正月を過ごした母方の実家のおせち料理の思い出です。私は勉強や宿題をしなさい、と言われてこたつにいましたが、祖母と母、そしてこの家のお嫁さんである母の兄嫁である叔母がくるくると忙しそうに立ち働く台所を、時々垣間見るのが大みそかの慣習でした。

 

東北の田舎町で、寒風が吹きすさぶ中に干された「しみ豆腐」。祖母の手製であるこのしみ豆腐をふんだんに使ったお煮しめが、私のおせち料理のメインだと思えます。シイタケやニンジン・こんにゃくといったなじみの食材と一緒に、くつくつと長く丁寧に煮付けられたお煮しめは、飽きの来ない味でした。

 

お正月も終わりに近くなると、他の従妹たちが「もうおせちなんて飽きた〜」と言っては叱られていましたが、私はお雑煮と一緒に黙々とこのお煮しめを食べ続けて、「あんたは食べ物に文句を言わないから助かるわあ」と、かげで祖母に褒められたのを嬉しく思っていたものです。実際、日数がたって時間の経過とともに、お煮しめにはどんどん味が沁み込んでいき、食べるたびにおいしいと思えたのも事実です。

 

大人になってから自分でもこのお煮しめに挑戦したことが何度かあったのですが、どうしても上手くいきませんでした。しみ豆腐を高野豆腐で代用しても、祖母と同じお煮しめの味は出ず、「何かが物足りない」という出来のものばかりでした。

 

元気だった祖母も近年、鬼籍に入ってしまい、私は結婚後の外国暮らしにさらに郷愁を募らせています。今度、お正月を日本で過ごせることがあれば、何としてもしみ豆腐を入手して、あの祖母のおいしいお煮しめを再現したい…そう密かに心に思っています。