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日本を離れて思い出す、おじいちゃんとのおせちの思い出

現在インドで専業主婦として住む私にとって「おせち」は日本のお正月そのものです。インドでは日本のように元旦をお祝いする習慣はありません。ですから特別な料理を用意して食べるということもありません。
おせちの思い出と言えば、今から40年ほど前の実家でのお正月です。現在46歳の私は当時小学1年生でした。
その1年前から祖父が肺がんで入院しており、この年のお正月はそんな祖父が一時帰宅で帰ってくる日でした。祖母や母は前日からおせちやそのほかの料理を準備するため大忙しでした。私はもちろんすることもなく兄姉とテレビを見ているだけでした。
元日の午後祖父を迎えに行くと、祖父から羽子板をプレゼントされました。どうやら祖母と相談して用意してくれたようで、兄姉と一緒に羽根つきもした記憶があります。
祖父はテーブルに並んだ久しぶりの我が家の料理を「おいしい」と言って食べていました。家庭で作るおせちは華がないと父が言うので、急遽近所にある人気の仕出し屋さんが販売しているおせちを追加で買いに行くことになりました。祖父が帰ってきて浮かれていた私は立候補し、母の電話注文のあと受け取りに歩いて行ったのです。そんな浮ついた気持ちが影響したのか、おせちを受け取ったあとスキップしながら坂道を急いでいると、おせちの箱を持ったまま前のめりに転んでしまったのです。もちろんその場で中身を確認し、無事ではないことも確認しました。綺麗だったはずの料理が見事にグチャっと乱れてしまっていました。もちろん気持ちはどん底に落ち込み、重たい足取りで帰宅したのです。
それを見た祖父も父も怒るどころか笑って許してくれたのです。おせちは母ができる限り綺麗に戻してくれて、何とか体裁は整い私のことは誰も責めずにいてくれました。祖父も追加で登場したおせちをまた「おいしい」と言って食べてくれていたので、私は申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちの中モヤモヤと過ごしたのです。
そんなお正月から2週間後の成人式の日に、祖父は帰らぬ人となりました。今でもこの年のおせち料理が忘れられないのは、祖父の最後のおせち料理を転んでグチャグチャにしてしまったという思い出があるからです。不思議とそれは罪悪感ではなく、祖父との間に絶対忘れられない思い出ができたからなのかなと今は思います。
その後のおせち料理には残念ながら思い出がないので、やはりなかなか思い出せませんが、今こうして日本を離れていると日本の食文化が非常に恋しくなります。